低侵襲治療センター

体にやさしい(低侵襲)治療センター

2016年4月 『体にやさしい(低侵襲)治療センター』 を開設いたしました。 当院では、外科・産婦人科・泌尿器科の領域において体にやさしい内視鏡下手術を積極的に取り入れております。
~内視鏡下手術の利点~
  • 傷が小さく痛みが少ない
  • 傷が目立たない
  • 術後の回復が早い
  • 入院期間が短い
  • 元の生活に早く戻れる

診療日時

月・火・木曜日 午前9:00~11:30※予約制

午前
午後

受診方法

受付カウンター ①②までお越しください。

診療内容

  • 内視鏡下手術の丁寧な説明
  • 内視鏡下手術適応診断(担当科受診時 さらに詳細に診断します)など

お問い合せ

地域医療連携室 0287-23-9777(直通)

体にやさしい(低侵襲)手術とは

体にやさしい手術とは、大きくお腹を切って手術(開腹手術)をする代わりに、お腹に数カ所小さな穴をあけ、そこから炭酸ガスをいれ、お腹の中に内視鏡(カメラ)と手術器具をいれ、モニターを見ながら、臓器の摘出や再建などを行う手術(腹腔鏡手術)です。 この手術法は、従来の開腹手術と比較して明らかに『傷が小さく痛みが少ない』、『傷が目立たない』、『術後の回復が早い』、『入院期間が短い』、『元の生活に早く戻れる』など、患者さんにとって利点が大きく近年急速に普及しています。 また内視鏡では、手術の細かい部位を拡大してモニターに映し出せるので、目で見るより微細な操作が可能で、出血も減らす事ができます。 もちろん欠点もあります。最近では映画と同じ3D(立体視)の画像装置も開発され徐々に実用化されていますが、通常の内視鏡手術はテレビ(2D)のモニターで行いますので、立体視ができません。また、手術器具の挿入(ポート)部位を動かすことができないため手術操作が制限されることがあります。 内視鏡手術では、この制限を克服する技術が必要で、医師以外のスタッフにも専門性が求められます。 当院では移転前から積極的に内視鏡手術に取り組み多くの患者さんを治してまいりました。新病院移転の際に、内視鏡手術に特化した最新の内視鏡手術専用の手術室を4部屋用意しました。さらには最新の手術器具を多数揃え、熟練したスタッフも多数在籍しております。 手術が必要と言われた患者さんは、小さな傷で行う内視鏡手術が適切な手術であり実施可能かどうか、気軽に「体にやさしい(低侵襲)治療センター」にご相談ください。経験豊富な外来の担当医が懇切丁寧にお答えし、手術ご希望であれば直ちに適切な診療科(外科、産婦人科、泌尿器科)で手術を担当いたします。

外科

外科での最近の研究では、大腸がん、早期胃がんに対する内視鏡手術の成績は開腹手術と比較して劣らないことが証明されつつあります。またSSI(手術部位感染症)と呼ばれる傷が感染する合併症が少ないことも証明されています。当院の腹腔鏡手術のSSIの発生率は全国平均より低く、当院の開腹手術に比較しても優れています。

また一般にがんの手術後に色々な合併症が起こると、治癒力、免疫力の低下からか再発する可能性が上がることが報告されています。(※再発する可能性が上がり、5年後に生存している人の割合の低下が報告されています。)このことからも当院では手術後早期に患者さんの痛みや合併症(手術後の体への負担)を減らす事ができる内視鏡手術を、早い時期から色々な疾患に積極的に導入してまいりました。

対象疾患と術式
比較的早期の胃がん 胃全摘術、噴門側胃切除術、幽門側胃切除術
結腸直腸がん(早期、進行) 回盲部切除術、右半結腸切除術、横行結腸切除術、左半結腸切除術、S状結腸切除術、低位前方切除術、直腸切断術
胃の粘膜下腫瘍 胃の部分切除術
肝がん(転移性・原発性) 肝部分切除術、肝外側区切除術
胆石症、胆嚢ポリープ 胆嚢切除術
急性、慢性虫垂炎 虫垂切除術
鼠径ヘルニア(脱腸) ヘルニア手術
腸閉塞 癒着剥離 腸閉塞解除術
その他 脾臓摘出術、横隔膜ヘルニアなど
※ 各々の疾患のガイドラインに基づき、保険診療範囲内の手術を行っています。

産婦人科

産婦人科では、日本産科婦人科内視鏡学会・日本内視鏡外科学会から技術的に高く、安全に内視鏡手術を施行することができる産婦人科医のみに交付される技術認定医の資格を持つ経験豊富な医師を中心に、専門の看護師によるサポートとともに安心して治療を受けていただけるように体制を組んでいます。

5~10㎜のポートを3~4本使用し、炭酸ガスによる気腹法で行っています。術後は傷がほとんど目立たないように、最も細い糸で傷口を閉じています。

対象疾患と術式
不妊症 腹腔鏡下癒着剥離術、腹腔鏡下卵管形成術
子宮筋腫 腹腔鏡下子宮筋腫核出術、腹腔鏡下子宮全摘術
子宮内膜症、卵巣チョコレート嚢腫 腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術、腹腔鏡下付属器切除術
子宮腺筋症 腹腔鏡下子宮腺筋症核出術、腹腔鏡下子宮全摘術
卵巣嚢腫 腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術、腹腔鏡下付属器切除術

泌尿器科

日本泌尿器内視鏡学会のガイドラインでは、腹腔鏡下副腎摘除術、腹腔鏡下根治的腎摘術、腹腔鏡下腎尿管摘除術、腹腔鏡下根治的前立腺摘除術、腹腔鏡下ドナー腎採取術、および腹腔鏡下腎盂形成術という泌尿器科領域における6つの代表的な腹腔鏡手術が記載されており、いずれも保険診療で認められている術式です。この中でも小さな腎がんに対する腎摘除術、腎盂尿管がんに対する腎尿管全摘除術、また副腎腫瘍に対する副腎摘除術などは、腹腔鏡下手術が標準術式と言っても過言ではなく、ガイドラインでも推奨されています。当院泌尿器科では腹腔鏡技術認定医(日本泌尿器内視鏡学会および日本内視鏡外科学会認定)が大学病院医師の支援の元に、これらの手術を積極的に行っています。

対象疾患と術式
小さな腎がん

腹腔鏡下根治的腎摘除術

小さな腎がんで腎部分切除可能な患者さんに対しては、可及的に腎部分切除術を行います。この場合は開放手術にて行いますが、この場合も手術創を短くするよう留意します(通常6㎝程度)。
良性の副腎腫瘍 腹腔鏡下副腎摘除術
腎盂尿管がん 腹腔鏡下腎尿管摘除術