平成27年度 那須赤十字病院指標

はじめに

この指標は、医療の質を具体的な数値で示し、客観的に評価することを可能としたものです。

指標を分析し、経年変化をみていくことによって、必要により改善等を行い、医療の質の向上に活かしていきたいと考えております。

また、地域の皆様に当院の特徴や現在の急性期医療についてより理解を深めて頂くことを目的とし、指標を公開しておりますが、それは必ずしも病院間の医療の質の差を表すものではありません。

全体の集計方法と定義

1.年齢階級別退院患者数

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1,051 230 302 540 580 753 1,627 1,704 1,583 375

解説

当院の一般病棟を退院された患者さんの年齢階級別(10歳刻み)患者数です。

全退院患者数は8,745人で、平均値は57歳、年齢中央値は60歳、年齢階級中央値は60歳台となっております。

幅広い年齢層の患者さんにご利用いただいておりますが、60歳以上の患者さんの割合は約60%にのぼり、地域社会の高齢化を反映しています。

それに次いで、0~9歳の階級の患者さんが多くなっております。そのうち、新生児の患者さんが23%となっており、周産期の入院に対応しております。

2.診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)

【内科】
DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 222 17.52 14.34 3.60 75.11
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 178 23.69 18.30 8.43 80.70
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 155 30.75 21.69 23.23 84.01

解説

どの症例の平均年齢が80歳前後となっており、高齢化社会を反映しています。

誤嚥性肺炎の入院では、日常生活のための基本的動作が困難で、自宅療養が難しいため施設入所を希望される患者さんも多く、その調整に期間を要することなどから在院日数が長くなっています。

【小児科】
DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
040080x1xxx0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳未満) 手術・処置等2なし 220 4.75 5.72 0.00 1.55
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 151 4.58 6.17 0.00 0.00
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 副傷病なし 114 4.93 6.31 0.88 3.46

解説

小児に多い肺炎、気管支炎、気管支喘息などの急性期疾患の入院を多く受け入れております。

また、地域周産期母子医療センターとして、早産児、病的新生児の入院に対応しています。

【外科】
DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
060335xx0200xx 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 61 5.57 7.84 0.00 57.36
090010xx03x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 手術・処置等2なし 42 6.81 6.79 0.00 60.45
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 31 10.84 9.17 0.00 66.26

解説

もっとも多い症例は鼠径ヘルニアの手術症例ですが、DPC算定対象外のため集計されていません。

この他、消化器がんの手術や化学療法の入院、腹部外傷、消化管穿孔など多岐に渡る治療を行っています。

【整形外科】
DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 106 25.38 28.70 79.25 83.08
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 36 18.81 27.21 33.33 74.61
07040xxx01xx0x 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 副傷病なし 26 17.92 24.95 30.77 68.35

解説

大腿骨頸部骨折は術後のリハビリテーションが重要であり、急性期病院の当院では回復期リハビリテーションを担う回復期病院、維持期の管理を担う介護施設・療養型病院と地域連携診療計画書を使って連携し、総合的な治療管理を行っております。

【形成外科】
DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
100100xx97x0xx 糖尿病足病変 手術あり 手術・処置等2なし 19 16.16 27.84 0.00 70.37
180060xx97xxxx その他の新生物 手術あり 17 3.53 6.84 0.00 43.59
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし 15 4.60 3.54 0.00 67.00

解説

眼瞼下垂に対する手術や、皮膚・皮下の良性腫瘍、軟部腫瘍などの摘出目的の入院が多くなっています。

腫瘍切除後の組織欠損をできるかぎり、機能的・整容的に修復するため、腫瘍の切除と同時にあるいは二期的に皮弁形成や植皮術を用いた再建を行っています。

【脳神経外科】
DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
010060x099000x 脳梗塞(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 62 20.90 15.80 32.26 72.21
010060x099030x 脳梗塞(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等23あり 副傷病なし 35 24.23 18.08 37.14 71.91
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 29 13.34 7.52 3.45 62.34

解説

脳卒中地域拠点医療機関として、急性期の脳梗塞を多く受け入れております。

また麻痺等後遺症のある患者さんは専門的リハビリテーションがうけられるよう専門医療機関との地域連携により、スムーズな紹介を行っております。

【産婦人科】
DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 102 7.86 9.94 0.00 31.87
120170xx99x0xx 早産、切迫早産 手術なし 手術・処置等2なし 65 28.78 20.87 6.15 30.14
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 64 8.94 10.18 0.00 44.05

解説

最も多い症例は帝王切開手術を行った入院です。緊急帝王切開手術にも24時間体制で対応しています。

子宮筋腫等の良性腫瘍摘出術や流産による子宮内容除去術も多く行っており、全国平均よりも早期に退院しています。

【耳鼻咽喉科】
DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 21 6.76 7.76 0.00 56.10
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 7.94
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 5.53

解説

扁桃肥大や扁桃炎、副鼻腔炎などに対して、ほぼ全症例において扁桃摘出術や上顎洞篩骨洞根治手術などの手術を全身麻酔下で行っております。

【泌尿器科】
DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 26 8.04 7.59 0.00 76.04
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術等 手術・処置等1なし 副傷病なし 13 5.85 5.91 0.00 63.85
11001xxx01x0xx 腎腫瘍 腎(尿管)悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし 12.99

解説

最も多い症例は、前立腺がんの疑いのある場合に行う前立腺針生検の検査入院ですが、DPC算定対象外のため集計されていません。

膀胱腫瘍や尿路結石、前立腺肥大等に対する、侵襲性の低い経尿道的手術を多く行っております。

3.初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 44 18 11 29 1 7
大腸癌 20 15 22 29 15 75 1 7
乳癌 35 18 46 1 7
肺癌 14 36 59 108 117 1 7
肝癌 28 27 10 24 1 7

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

解説

5大がんについて、集計期間に入院治療を行った、初発患者の病期分類による延べ患者数、再発患者の延べ患者数を示しています。当院において、がんの診断、初回治療を行った場合を「初発」として病期分類ごとに集計し、初回治療以降の継続治療を行った場合を「再発」として集計しています。

がんの病期分類は、がんがどれくらい進行しているのかという病期・進行度を意味し、Stage0からStageIVまであり、StageIVが最も進行していることになります。

肺がんのStageが「不明」の症例が多くなっていますが、これは検査入院症例を多く取り扱っているためで、退院時に検査結果が明らかでないものは「不明」件数に含まれます。

当院は「地域がん診療拠点病院」として、手術だけでなく抗がん剤治療、放射線治療など患者さんに合わせた治療法を選択し総合的に管理しております。

また、緩和ケア病棟を有しており、治療が困難とされたがん患者さんの苦痛を和らげる緩和ケア治療の体制も整えています。

4.成人市中肺炎の重症度別患者数等

患者数 平均
在院日数
平均年齢
重症度 0 20 13.25 57.75
重症度 1 31 15.52 74.39
重症度 2 37 21.57 75.08
重症度 3 37 21.41 82.38
重症度 4
重症度 5
不明

解説

入院のきっかけとなった病名および最も医療資源を投入した傷病名が肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(誤嚥性肺炎、インフルエンザ肺炎、ウイルス性肺炎を除く)であって、市中肺炎(入院後発症の肺炎を除く)の患者さんが対象となります。

日本呼吸器学会、成人市中肺炎診療ガイドライン、肺炎重傷度分類の定義に基づき、入院時の状態から重傷度を決定し、重傷度ごとに患者数、平均在院日数、平均年齢を示しています。

重症度が高くなるほど平均在院日数が長くなり、平均年齢が高くなっていることがわかります。

当院で肺炎の治療を受けられるご高齢の患者さんは増加しており、その大半が誤嚥性肺炎ですが、誤嚥性肺炎はこの指標の対象疾患には入っていないため総件数が少なくなっています。

5.脳梗塞のICD10別患者数等

ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 21 4.81 71.95 0.00
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群
I63$ 脳梗塞 180 33.57 74.97 0.47
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症>
I679 脳血管疾患,詳細不明

解説

「ICD10」とは、疾病及び関連保健問題の国際統計分類です。WHOによって公表された分類で、死因や疾病の統計、診療記録の管理などに活用されます。疾病の種類をアルファベットと数字によって表しています。

医療資源を最も投入した傷病名が脳梗塞の患者さんを対象として、その発症から入院までの日数別に症例数、平均在院日数、平均年齢、転院率を示しています。

脳梗塞治療では迅速に治療を行うことがその後の患者さんのADL(日常生活動作)に大きな影響を与えます。

当院では緊急に治療が必要な患者さんを常に受け入れることができるように体制の確保に努めています。

脳梗塞治療において、リハビリテーションは脳梗塞の合併症・後遺症を防ぐために非常に重要です。

急性期医療を担う当院では、回復期リハビリテーションを担う回復期病院、維持期を担う介護施設・療養型病院と地域連携診療計画書を使って連携し、総合的な治療管理を行っております。

6.診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)

【内科】
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 88 1.57 21.20 4.55 76.76
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 67 0.69 6.55 1.49 67.46
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 57 3.96 2.82 0.00 68.12

解説

胆管結石性胆のう炎などに対して行う内視鏡下の胆道ステント留置術等の低侵襲治療を行っています。

狭心症や心筋梗塞などに対する冠動脈ステント留置術も多く、緊急の心疾患に対する手術にも24時間対応しております。

【外科】
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 97 1.24 2.55 1.03 64.34
K6722 腹腔鏡下胆嚢摘出術 66 1.41 3.95 1.52 57.08
K4762 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない) 42 1.31 4.50 0.00 60.45

解説

ヘルニア手術や、胆のう結石症などに対して腹腔鏡下による胆嚢摘出術を多く行っています。

乳がんの手術では乳房部分切除が多くなっていますが、術中リンパ節生検を行いリンパ節転移が認められた場合、術式が変更になり在院日数が長くなる場合があります。

【整形外科】
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) 80 4.46 14.14 65.00 77.28
K0821 人工関節置換術(肩、股、膝) 79 1.54 17.09 32.91 70.73
K0462 骨折観血的手術(前腕、下腿、手舟状骨) 55 2.29 10.38 21.82 52.33

解説

平均年齢から高齢者の骨折が多いことが分かります。

加齢に伴って起こる関節の変形が原因の変形性股関節症、変形性膝関節症に対して、人工関節置換術を多く行っています。

自宅退院を目標に長期のリハビリテーションが必要な場合には後方支援病院に転院の上、リハビリを続けていただいております。

【形成外科】
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術 (単純切除) 17 1.12 8.47 0.00 80.88
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(肩、上腕、前腕、大腿、下腿、躯幹) 14 1.07 4.21 0.00 46.43
K0021 デブリードマン(100c㎡未満) 13 3.31 14.46 7.69 74.15

解説

腫瘍の形態や部位、患者さんの状態により、外来では行うことができない悪性の皮膚腫瘍切除術や、良性の皮膚・皮下腫瘍切除術を行っています。

デブリードマンとは、汚染創や挫滅創に対して行われる洗浄または汚染組織の切除等です。

【脳神経外科】
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 31 3.10 15.61 25.81 79.84
K386 気管切開術 15 14.67 65.67 73.33 68.53
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 14 1.00 42.43 57.14 61.71

解説

外傷による慢性硬膜下血腫や非外傷性脳内出血に対して洗浄術や、動脈瘤を直接クリップで挟んで止血するクリッピング術を行っております。

脳の障害によって自発呼吸が困難な状態であって、気管挿管が不可能な場合や、長期にわたって挿管が必要な場合に気管切開を行うことがあります。

【産婦人科】
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 129 5.86 5.99 0.00 31.70
K867 子宮頸部(腟部)切除術 62 0.06 1.05 0.00 43.97
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 51 2.67 6.59 0.00 31.82

解説

さまざまな合併症を伴ったリスクの高い帝王切開による分娩も積極的に受け入れています。

【眼科】
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合(その他のもの) 120 0.00 1.14 0.00 74.65
K2822 水晶体再建術 眼内レンズを挿入しない場合
K279 硝子体切除術

解説

糖尿病網膜症や緑内障を合併されている患者さんなどリスクの高い白内障の手術も受け入れています。

高齢化に伴い、白内障の手術を希望される患者さんが増えており、当院では2~4日の入院で白内障手術を行っています。

【耳鼻咽喉科】
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型〔選択的(複数洞)副鼻腔手術〕 11 1.00 5.00 0.00 54.09
K3892 喉頭・声帯ポリープ切除術 直達喉頭鏡又はファイバースコープによるもの
K4571 耳下腺腫瘍摘出術 耳下腺浅葉摘出術

解説

副鼻腔炎に対する内視鏡手術や声帯ポリープ、耳下腺腫瘍等の切除術を行っています。

【泌尿器科】
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術(電解質溶液利用のもの) 18 2.22 5.67 0.00 76.67
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 14 1.07 5.36 0.00 63.36
K8036 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術(その他のもの) 11 2.55 5.36 0.00 71.73

解説

外科的治療が必要な尿路結石および早期の尿路性器癌に関しましては、内視鏡下で行われる安全かつ侵襲性の低い経尿道的手術を多く行っております。

7.その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる 27 0.31
180010 敗血症 同一 28 0.32
異なる 87 0.99
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 27 0.31
異なる

解説

臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして、重篤な疾患である敗血症、播種性血管内凝固症候群、その他の真菌症について発症率を集計しています。

医療資源を最も投入した病名と入院のきっかけとなった病名が同一かそれ以外で件数を集計しています。

外傷による肝損傷や膵損傷、膵がんや大腸がん、胃がんなど消化器系の大手術後に血液の凝固に異常をきたす播種性血管内凝固を起こす場合があります。

また、さまざまな感染症などから血液に病原菌が入り、敗血症になることがあります。

その他の真菌症の症例は副鼻腔真菌症や肺真菌症でした。

手術・術後の合併症は、術創部の感染や出血の他、人工股関節の脱臼、透析用カテーテルや胆管ステントの閉塞、予防接種後の発熱などの症例が見られました。

なお、発症率(%)は各集計項目ごとの患者数/全退院患者数(8,745人)で算出しております。

全体の集計方法と定義

  • 当院の入院診療請求はDPC制度を導入しております。 ・DPC制度とは、急性期入院医療を対象とした包括評価制度のことです。 ・入院について医療資源を最も投入した傷病名、手術・処置等の組み合わせにより「診断群分類」が決まり、1日の包括点数が定められています。 ・DPC指標はこのDPC制度に基づいた入院のデータから算出しております。
  • 27年度(平成27年4月1日~平成28年3月31日)までに退院された患者さんが対象です。
  • 医療保険を使用された患者さんのみを対象とし、自動車賠償責任保険や労災保険、自費等は含めません。
  • 入院後、24時間以内に死亡した患者さん、又は、生後1週間以内に死亡した新生児の患者さん、臓器移植は集計対象外です。
  • 歯科治療のため入院された患者さんは対象としません。
  • 平均年齢は、最初の入院日時点の年齢を基準としています。
  • 患者数が10未満の場合は、-(ハイフン)で掲載しております。
  • 臨床指標(DPC指標)は、メディカル・データ・ビジョン株式会社の開発ツール「わたしの病院指標」を使用し作成しております。