放射線治療
放射線治療とは
放射線治療とは、人体内のがんに対し、選択的に放射線を照射することで治療を行ないます。リニアック(LINAC)という治療装置を用います。制御された放射線を高精度で人体に照射して治療を行います。主にがんに対する根治的治療(がんを完全に治すことを目的とした治療)に用いられますが、進行したがんによる痛みの軽減を行い、生活の質(QOL)の向上に重要な役割を果たす緩和的治療としても行われます。手術のように体を傷つけることがなく、臓器の形や働きを温存しながら治療でき、体への負担が少ない治療法のひとつです。
放射線治療の流れ
1. 主治医による診察
主治医より、放射線治療科へ診察依頼をして頂きます。
2. 放射線治療医による診察• 火曜日・金曜日
主治医からの依頼を受け、放射線治療専門医(非常勤:火・金)が診察を行います。 種々の検査結果をもとに、放射線治療の適応の確認、照射方法、効果、副作用などの説明をいたします。
3. 治療計画(シミュレーション)• 数時間 〜数日
治療計画のためにCT撮像を行い、画像情報は治療計画装置というコンピュータに送られます。放射線治療専門医が、3次元的に腫瘍の形状および大きさを確認し、放射線を照射する領域を決定します。
決められた照射領域に対し、照射範囲、照射方向、照射線量、回数などを決定します。腫瘍の部分に放射線を集中させ、できるだけ周囲の正常組織への線量を少なくするように作成します。
4. 位置照合、確認
作成した治療計画をもとに、放射線治療装置(リニアック)の上でX線撮影をし、治療する部位の位置照合、確認をします。
位置を合わせたところで体にマーキングを行います。
5. 検証作業
治療計画装置で、作成したものが安全かつ正確に行われるか、放射線量の測定など、検証作業を行います。
6. 治療開始
治療計画に基づき、照射を行います。治療は月曜日から金曜日の毎日行います。
毎回の治療時間は15分くらいです。治療部位によりますが、治療期間は数日~7週間程度です。